ぽむ吉マニアックスさんが東西の中央郵便局について面白い表現をされていました。
「近代建築は見た目にもおいしい『ちらし寿司』ですね。ぱっと見もう華やか。」
「モダニズム建築は魚沼産コシヒカリを天然水で炊いた『銀シャリ』ですかね。素材そのもののおいしさで勝負!みたいな。」‥‥だそうです。なるほど。
で。僕なりに考えてみました。
東京中央郵便局が銀シャリの「白ごはん」なら、大阪中央郵便局は「玄米ごはん」ですね。色目はちょっと地味な「玄米」だけど、意外に美味しかったりカラダにいいかもしれませんよ。もし食わず嫌いで敬遠されている方は一度ご賞味あれ♪♪♪
[ニュースいろいろ]
『郵政、旧東京中央郵便局の取り壊しを延期』 NIKKEI NET
『東京中央郵便局建て替え計画、都が正式に認める決定』 YOMIURI ONLINE
『「歴史的な価値同じ」大阪中央郵便局にも保存論』 YOMIURI ONLINE
今回の中央郵便局をめぐる騒動なんですけど、けっこー大騒ぎですね。まさか大阪まで話が及ぶとは^^;
軽んじられていた建物の価値が見直されるなら、それはそれで結構。だけど何故このタイミング?なんで今更???と感じてしまいます。いろんな立場の人がいろんな思惑を持った現状で、冷静に建物の価値判断なんてできるのでしょうか?
建て替えの是非・保存方法等はもっと前段階で論議されるべきだったのに、今更「ついで」のように建物の価値について話題が持ち上がっているのはとても残念に感じます。
個人的には‥‥、梅田阪急ビルの旧コンコース解体の時を思い出します。2004年12月に建替計画が発表され
(→過去記事)、春に準備工事が始まり
(→過去記事)、秋にコンコースが閉鎖された
(→過去記事)んですが、この時も閉鎖時にようやく建物の価値について大きく話題になり始めました。当時もなんで今更?と強く感じたのを憶えています。建替計画が新聞一面に載ってから解体開始まで数ヶ月あったのに‥‥。
建物は企業のものかもしれませんが、街並みや景観はみんなのものだと思います。貴重な建物が解体されちゃうなら、それを説明できる人(できれば建築のプロ)がみんなに“解りやすく”アピールしていく事も必要だと思います。取り壊し時になってはじめて一般に話題になるんじゃ遅いのです。みんなの街並みは守れない。
今頃になって、騒動のついでに建物の価値が語られているのが寂しいです。建物も不憫です。東も西も中央郵便局は今はもう、みんなでじっくり「お疲れさん」と見納めをしてあげるべき時期なんじゃないでしょうか。
とにかく食わず嫌いで“玄米”を敬遠している人は是非ご賞味を。建物の魅力に気づくかも、です。