[2] “大阪都構想の賛否を問う住民投票”

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ラリー
2015/05/25 10:07 PM
日本が衰退していく中で、今までの常識では生きていけない

私たちの生活は年々悪くなってきているが、それでも2000年までは、まだ「真面目にやっていれば報われる」というどこか奇妙な楽観論が残っていた。

さすがに今ではもうそのような楽観論は跡形もなく消えてしまったが、今でもそれを「常識」のように抱いている人も中にはいる。しかし、もうそんな時代ではなくなっている。

・若年層は、就職できなくなっている。
・中年層は、リストラの対象になっている。
・高年層は、生活保護受給に落ちている。

ここでよく考えて欲しい。就職できない若年層の貧困化も目立ち、40代以降のリストラも当たり前になり、生活保護受給者もどんどん増えているが、そういった状況に陥ってしまた彼らは真面目ではなかったのだろうか?
遊びほうけ、好き勝手なことをして、適当に生きていたから困難に陥っているのだろうか?

時代の波が変転すれば不運に巻き込まれてしまう

昨今ではソニー、パナソニック、ルネサス等の東証一部上場企業から、グリーやミクシーのような新興企業まで、ことあるごとに社員をリストラしている。

では、これらのリストラされた人たちは、真面目ではなかったのだろうか?

みんなまじめにやってきたのだ。しかし、どんなに真面目であっても、時代の波が変転すれば不運に巻き込まれてしまう人が数百万、数千万人の単位で生まれて来る。

真面目にやっていれば報われる。それが空しい言葉になりつつあるのは、すなわち時代が変わり、常識が変わって来ているからだ。

かつての常識が今も通用すると考えると、それは不幸の始まりになってしまう。

「真面目にやっていれば報われる」は、高度成長期の頃に生まれた常識であり、この常識は今はもう機能していない。

では、今の常識の基本となっているものは何か。今の常識はすべて、国は衰退しているという前提で成り立っているのだ。

たとえば、「ちゃんと働けば報われる」が成り立たなくなったというのは、今働いている人たち全員の実感ではないだろうか。

ブラック企業が問題になっているが、ブラック企業ではなくても、労働条件・労働環境は悪化して、しかも給料が上がらないどころか下がっている。普通の会社で、一心不乱に働いてもそうなのだ。

「真面目に働けば報われる」というのは、もう完全に非常識になったのだ。これからは、「真面目に働いたところで報われない」というのが常識になる。

グローバル化の時代は先進国の人間の給料を引き下げる動きをする。また、企業はコストの安い海外に職場を移す。だから、この流れは、グローバル化が続く限り止まらない。


政府による収奪は、徹底化されていくことになる

日本人は定年までしっかり働き、定年退職したらあとは悠々自適の生活に入るというのが理想でもあり、常識でもあった。今でも、それが可能だと信じ切っている人もいる。

しかし、これもあり得ない。政府は、必死になってインフレを起こし、年金を引き下げ、受給年齢を引き上げ、医療費の自己負担も上げ、消費税もどんどん上げている。

なぜなら、もう日本政府の累積債務は1000兆円を超えて、かなり絶望的なところにまで到達しているからだ。国民から収奪するしかないから、政府は収奪しに来ている。

2013年12月18日には、国民年金を長期滞納している人間は、所得が400万円以上もあれば差し押さえすると厚生労働省は宣言している。このように、今後も政府による収奪は、徹底化されていくことになる。

そんな中で、年金が維持されるはずもなく、インフレも始まったら、高齢者が追い込まれてしまうのは自明の理だ。国の福祉がいつまでもあると思うのは、もう非常識なのである。

年金で生活などできなくなるというのが、衰退の時代の常識だ。高齢者は巨額の資産を持っていない限り、死ぬまで働かなければならないのだ。

そもそも、年金を支える若年層が減っている上に貧困化しているのである。それだけでも年金制度がこのまま維持されるわけがないことが分かる。

少子高齢化の問題は、日本の現在のシステムを崩壊させる時限爆弾である。

年金制度も少子高齢化によって破綻が見えてきているし、国の活力低下、内需低下もまた少子高齢化によって年々ひどくなっていく。


漠然と持っていた古い常識では生きていけない

少子高齢化がもたらす問題は、国の活力を削ぐだけではなく、対外的にも大きな問題になっていく。

まず、「日本は日本人だけのもの」という常識も、この少子高齢化によって崩壊する。なぜなら、人口減少によって必然的に外国人が入って来やすい土壌が整うからだ。

人口が減って日本は物理的に土地がガラガラになっていく。地方も人口減で崩壊する。ところが、世界に目を転じると人口はどんどん増えているのだ。爆発的に増えている。

日本は暮らしやすい土地である。それならば、増えた世界人口が日本の真空を埋めるようにして入り込んできたとしても、何ら不思議ではない。

いくら日本人が移民は嫌だと言っても、それを跳ね返す力もなくなっている。移民という形を取るのか、侵略という形になるのかは分からないが、いずれ、日本には大量の外国人が住み着いてどんどん増えて行く国になる。

そして、間違いなく「日本は日本人だけのもの」という常識は消える。遅かれ早かれ、日本はそうなっていく。

当然、現在の日本文化というのも消えていく。ゆっくりと掻き消されるようになくなる。つまり、日本文化は永遠に残るという常識も、今後は非常識になっていくのである。

日本は元々、世界からみると異質で理解されにくい文化を持った国なのである。その国が衰退し、少子高齢化で人口を減らしていくのだから、文化が衰退して消滅しても不思議でも何でもない。

日本文化が今のまま理解してもらえると考えるのは間違っている。日本文化は理解される前に消されてしまう。日本文化は消えるというのが新しい常識となっていく。

「真面目に働いたら報われる」は非常識になる。
「悠々とした年金生活が送れる」も非常識になる。
「日本は日本人だけのもの」も非常識になる。
「日本文化は永遠に残る」も非常識になる。

日本が衰退するという潮流から見ると、今まで私たちが漠然と持っていた古い常識では生きていけなくなる。これほど、日本人は追い込まれているという事実を、客観的に、そして現実的に捉えるべきだ。

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