[2] うめきた2期開発区域 2014年6月

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F.Nakajima
2014/06/28 11:23 PM
>都心に17ヘクタールの土地があるのは日本でもここだけだから。

大阪の人間がこのこと自体を疑問に思わない(私も東京の人間に指摘されるまでそうでしたが)こと自体が非常に問題なんです。
ほぼ同条件の汐留の再開発が2006年に一応完結したのに対し、大阪は遅れに遅れて、未だに2期開発にこぎつけられない。
もっと言えば、2期は、12年に計画策定が終わってすでに着工されていなければならなかった案件です。

>建設業が切羽詰るようではオリンピック自体も相当危ういです。

かなりはしょって言ってしまえば、建築業というのはバブル崩壊後ずっと規模縮小が続いていて、それが受注のバランスが取れるようになったのはリーマン前ぐらいだったのです。ところが現実にはリーマンショック後、もう一回業界規模の縮小が起こって、かなりの倒産、廃業がありました。

昔は(今でもオフィスビルは)、高層建築物を「実質的に」造っているのはゼネコンではありません。実質的に大部分の工程を行っているのは「ファブリケーター(略して業界ではファブと言う)」と呼ばれる業者です。ファブの役割とは高層建築の鉄骨を造る事です。すなわち現在の高層建築とは、
ファブが各パーツに分かれた鉄骨を製作→20トントレーラーなどで建設現場まで運搬→タワークレーンで持ち上げ→接続していく
という各パーツに分かれた鉄骨を組み上げて行くというものです。

ここで長々と建築について書いたのは、何が不足しているのか説明するためです。現在、一番足りないのはタワークレーンとそのオペレーター、そしてファブです。
日本で動いているタワークレーンと、それに付随しているオペレーターの数はもう何年も増えていません。一基少なくとも数億の設備と、それより貴重なオペレーターを、どの建機リース会社も更新だけで稼動数を増やしていませんでした。
ですから、高層ビルの建設は計画を建ててもすぐに着工はできません。タワークレーンには長い長いリストができていて、数年待たないと順番が廻ってきません。

もっときついのはファブです。現在生き残ったファブの処理能力=従来予想されていた日本の高層建設需要で、オリンピックなど予想されていなかったのです。
故に、オリンピック関連を押し込むとどこかの再開発計画を延期しなければならない、というのが現在の日本です。で、犠牲になるのが、何度も計画策定を延期し続け、おかげで建設業者からやる気を奪った2期工事なんです。

これは個人的な予想なのですが、今の状況では、2期は2020年でも着工されていない可能性が高いと思います。

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