[2] うめだ阪急 2005→2012

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阪急百貨店の凄さ その3
2012/11/25 10:48 PM
http://diamond.jp/articles/-/28238?page=4

シフト3:ミセスからヤング・キャリアの客層へシフト

 正確に言えば阪急うめだ本店はミセスからヤング・キャリアにいたるまで幅広く支持されている百貨店です。これは都心型の総合百貨店の特長です。しかし阪急うめだ本店は昔からヤング・キャリア層にも強い百貨店として有名です。同店から人気が出て、大きく育った婦人服ヤングブランドやキャリアブランド(M-プルミエなど)もたくさんあります。

 そして今回のリニューアルで、あらためてターゲットを定めて強化する戦略をとりました。それが「ヤング・キャリアにシフトする」というターゲティングです。それを強烈に印象づけた3つの売場が「うめはんシスターズ」、「うめはんジェンヌ」、「インターナショナルブランドゾーン」です。

 3Fのうめはんシスターズは20代前半をターゲットにしたヤング婦人服売場。ブランドよりもアイテムバリエーションを楽しめるような売場にしているのが特徴です。それぞれの「ブランド」ではなく、「阪急が選んだブランド」というイメージを強く打ち出した売場を作って、阪急のファンを作ろうという意気込みが伝わってくる売場です。

 また、このフロアはブランドリレーション(ブランド配置)も斬新です。たとえば、ポール バイ ポール・スミスとスナイデルが隣同士で並んでいます。

 ポール バイ ポール・スミスは20〜30代女性向けで、イギリスらしさをもったベーシックなウィークエンドカジュアルを提案する海外ブランド。一方、スナイデルは20代後半女性向けにストリートフォーマルをコンセプトに、スウィートなアイテム展開が特徴の国産ブランドです。通常、前者はトラッド系のブランドが並ぶフロアに配置されることが多く、スナイデルは“ギャル系ファッションのお姉さんブランド”のように捉えられ、カジュアルフロアに配置されることが普通です。

 これまで同じカテゴリーに入ることがなかったブランドが隣に並び、お客に新しい提案をしていて、売り場に新鮮な雰囲気をもたらしていました。

 16個の試着室はブランドを超えて使えるようにしているなど、オープンな売場づくりを体現している売場です。大きなセレクトショップのようなフロアです。

 4Fのうめはんジェンヌは25歳のOLが関心を持つような売場づくりにしています。生活雑貨、オーガニックコスメ、ルームウェア、カフェなどを婦人服ブランドと並んで併設し、導線をくねらせて、お客さんに回遊してもらう仕掛けも工夫していました。こちらは大きなライフスタイルショップのようなフロアです。

 5Fにはインターナショナルブランドの売場でも新しい試みがされています。日本初となるトム・フォードのウィメンズストア、「ロジェヴィヴィエ」、ルイヴィトンのウィメンズストア、ブルガリイル・カフェのついたブルガリなどが展開されています。

 そして今回のグランドオープンで、ラグジュアリーブランドのバッグやジュエリーを切り取って集積させたインターナショナルバッグギャラリーズとブライダルジュエリーが2Fにオープンします。2、3、5Fをあわせたインターナショナルブランドゾーンは150ブランドを揃え、売場面積は1万平方メートル。品揃え、売場面積ともに世界最大級の規模となります。まるでどこかの街のブランドストリートを歩いているような空間です。

 フロアガイドだけ見ているとたくさんのブランドが集まっているだけのように見えますが、ひとつひとつのブランドには他にはない特徴があり、新しい試みも多数あり、豪華でラグジュアリー感たっぷりの売場です。そこにきれいに見える照明や音響が加わり、お客さんを興奮させるブランドの空間ができています。ここまで徹底して20代〜30代を意識した店づくりをすれば、財布の紐も緩むかもしれないと感じました。

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