[2] 新・中央郵便局を勝手に妄想してみる

Comments


なまはげ
2007/10/17 07:50 PM
お久しぶりです〜!
埼玉人として(笑)のアイデアですが、中央郵便局の外壁デザインを新たに建設されるビルの低層部に部分的に組み込む、というのはどうでしょうか?
例えばガラス張りになるとして、その一部を大きく開き郵便局の外壁と窓などが露出するような雰囲気で、、、。旧建築(歴史)と高層ビル(未来)が共存する?イメージです。

東京の例でいいますと、表参道ヒルズの一部に同潤会アパートのデザインが再現されるような感じで、それを更にダイナミックに組み合わせると意外と化けるかもしれません。

以上、提案というか妄想でした(^-^;失礼いたします。
もんもん
2007/10/17 09:29 PM
こんにちは
ゴリモンさんの案、これはなかなかいい…と思いながら、同じような妄想にしばしふけってしまいました。
大阪中央郵便局の建物に愛着を持つ者の一人として、どのような形でも、その外観が残るのは喜ばしいと思います。
しかし、はたしてそれが大阪の駅前の建築物として、今後もあるべきかたちなのかどうか、と考えると、必ずしもそうではないように考え始めました。

私は灰色の郵便局を幼い頃から眺め続け、暗い色彩を一方では疎ましく思いつつ、一方では硬派なカッコよさを感じてきました。駅前の超一等地にこのような威圧的な建物が、遠慮なく居座ろことが許されたのは、それが「中央郵便局」だからであって、そのことが日本に冠たる大都市の一つであることの証として大阪の駅前風景を形成し続けてきたのだと思います。

「駅前に中央郵便局」という構図は、鉄道が郵便物輸送の中心だった時代があったことの証左です。その役割は新大阪支店(民営化前までは新大阪郵便局。安治川口にあります。)に明け渡して久しいですが、それでもこの建物は、「大阪は立派な都市なんだぞ、大阪駅は重要な駅なんだぞ」と声なき主張をし続けてきたんです。
私は中央郵便局の灰色の建築的価値や歴史的経緯については無知ですが、この灰色には愛着があります。なぜならこの色は、戦前から鉄道と一体になって日本の逓信事業を見てきた生き証人だからです。

この建物が知っているのはかつて国営であった逓信事業、日本の横顔そのものです。ずっとその色、その姿でそこにあったという事実が、日本の、そして大阪という都市の年輪を見る人に感じさせるのです。
個人的には、「この場所」に「この建物」を「そのまま」残せないなら、むしろ一切の面影なく新しい建物を造るほうがいいと思います。私にとってこの建物への愛着は産業遺産的な価値を多分に含むのであって、建物そのものに対する美意識だけで説明がつくものではないからです。

この建物を建て替えるのは「新陳代謝」ではなく、「終焉」だと思います。
例えばうめだ阪急ビルがなくなったことは、大阪中央郵便局よりもはるかに惜しいことでした。しかし、ソフトとしての阪急百貨店が存在し続ける限り、歴史は刻まれ続けます。今度建つ新しい阪急百貨店が親しまれる名建築となることに期待しよう、と気持ちを切り替えることもできます。
しかし郵便局ではそうはいきません。今の建物をどんなに忠実に再現しても、もはやそこに刻まれる歴史は連続しないのです。時代も、社会も、何もかもが変わってしまって、もう残っているのはハコだけという状態だからです。しかもそのハコの外観は、美的には万人受けするものでなく、建て替えてなおしがみつくようなデザインではありません。

建て替えるならきっぱり新しいデザインにすべきだと思います。仮に現デザインを踏襲したところで、私のように、中央郵便局の建物にある種の愛着を持っている人は、「何か違う」と思い、何の愛着もない人からは不評を買うという中途半端な結果となる危険が大きいです。そんなリスクにコストを払わず、皆に親しまれる「都市の顔」をデザインするという気構えをもって臨んでいただきたい、というのが個人的な思いです。

今回ゴリモンさんの案に触れるまで、私は大阪中央郵便局の建て替えについては何のオピニオンもありませんでしたが、
色々自分でも妄想をしてみると、自分がこの建物の何にシンパシーを感じていたのかがはっきりしてきました。ありがとうございました。

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